大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和37(オ)181 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人野口恵三の上告理由第一点について。

上告人(再審原告)は所論確定判決(以下、原二審判決という)に、所論のよう

な判断遺脱があることを事由として原審に本件再審の訴を提起したのであるが、所

論のような判断遺脱という欠陥は、特別の事情のない限り、再審原告(原二審にお

けるその訴訟代理人を含む)が原二審判決の送達を受けた当時にこれを閲読して、

右欠陥の有無を知りえたものと推認せざるをえない(昭和二七年(ヤ)第三号、同

二八年四月三〇日第一小法廷判決、民集七巻四八〇頁、昭和一六年(オ)第一五号、

同一七年四月二一日大審院判決、民集二一巻三九九頁参照)。従つて、右と同趣旨

の判断をしている原判決には、所論のように民訴四二〇条一項但書の解釈、適用を

誤りまたは訴訟手続の法令に違背したかしありとはいえない。なお、憲法三二条違

反の主張は、原判決に右のかしあることを前提とするものであるから、右のとおり

その前提を欠き、採用の限りでない。

同第二点について。

民訴四二〇条一項但書にいわゆる当事者とは、当事者の訴訟代理人をも含む趣旨

と解すべきものとする原判決の判断は正当であつて、当裁判所もこれを支持する。(

昭和一三年(オ)第二四四五号同一四年九月一四日大審院判決民集一八巻一〇八三

頁参照)。所論は独自の見解であつて、採用できない。

同第三点について。

上告人が再審事由として挙示している各事由は、原審が昭和三年三月三一日本件

当事者間に本件土地の売買契約が成立したと認定したことを、根本的にくつがえす

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に足るものであるというのであるから、その判断遺脱は理由不備ないしは訴訟手続

の法令違背として、原二審判決に対する上告理由として主張しえたものと解するを

相当とする。所論は、これと異る見解に立ち原判決を非難するものであつて、採用

できない。

同第四点について。

原判決がその主文で、本件再審の訴を却下するとしている点には、なんら違法の

かどはない。けだし、再審手続においては、いわゆる訴却下と請求棄却とを区別し

ていないからである(民訴四二八条参照)。所論は独自の見解であつて、採用の限

りでない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

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